2025年6月の二十四節気と選日(せんじつ)です。選日とは、暦注上において干支の組合せによってその日の吉凶を占うものであり、六曜・七曜・十二直(中段)・二十八宿・九星・暦注下段以外の物の総称です。擇日(たくじつ)・撰日・雑注ともいい、吉凶を判断するための特殊な性格の日柄です。
二十四節気
6月5日(木) 芒種
芒種(ぼうしゅ)は、二十四節気の一つで、毎年6月5日頃から始まります。この時期は、稲や麦などの穀物の種まきや田植えが行われる季節とされています。「芒(のぎ)」とは、イネ科の植物の穂先にある針状の突起を指し、これらの植物の種をまく時期および穂が出る時期であることから「芒種」と名付けられました。
芒種は、立春から数えて9番目の節気で、夏至の直前に位置します。この頃は梅雨入りの時期とも重なり、田畑の作業が本格化する時期です。農家にとっては多忙な季節であり、全国各地で豊作を祈願する祭りや神事が行われます。例えば、京都の伏見稲荷大社では「御田舞(おんだまい)」、大阪の住吉大社では「御田植神事(おたうえしんじ)」などが有名です。
また、芒種の時期は、自然界でもさまざまな変化が見られます。カマキリの幼虫が生まれ、ホタルが飛び交い始め、梅の実が色づくなど、生命の息吹を感じる季節です。さらに、アジサイやキキョウなどの花々が見頃を迎え、梅雨の風情を彩ります。
この時期に旬を迎える食材も豊富です。例えば、みょうがは夏(7月〜9月)に楽しめる野菜で、薬味としてだけでなく、酢漬けや味噌汁の具材としても利用されます。また、さくらんぼもこの頃に旬を迎え、特に佐藤錦は糖度が高く、果汁が豊富で人気の品種です。
芒種は、農作業や自然の営みが活発になる時期であり、季節の移ろいを感じる節気です。この時期の風物詩や旬の食材を楽しみながら、初夏の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。
6月21日(土) 夏至
夏至(げし)は、二十四節気の第10番目にあたり、北半球では一年で最も昼の時間が長く、夜が短い日です。毎年6月21日または22日頃に訪れ、日本ではこの日を境に日照時間が徐々に短くなっていきます。
夏至の日は、太陽が真南に来たときの位置が一年で最も高くなり、その結果、影の長さが最も短くなります。この時期、日本の多くの地域では梅雨の最中であり、湿度が高く蒸し暑い日が続きます。
日本各地には、夏至にまつわる独特の風習があります。例えば、三重県の二見興玉神社では、夏至の日の早朝に夫婦岩の間から昇る朝日を拝む「夏至祭」が行われます。この祭りでは、参加者が海で禊を行い、心身を清めます。また、京都府では、6月30日に「夏越祓(なごしのはらえ)」という行事が行われ、この日に「水無月」という和菓子を食べる習慣があります。さらに、いくつかの地域では、「無花果田楽(いちじくでんがく)」を食べる風習があり、いちじくに田楽味噌をかけて焼き、不老長寿や豊作を祈ります。
一方、世界各地でも夏至を祝う風習が存在します。スウェーデンでは「ミッドサマー」と呼ばれる夏至祭が行われ、家族や友人と共に田舎で過ごし、ニシンやじゃがいもなどの伝統料理を楽しみます。ポーランドでは、女性が花輪を作って川に流す習慣があり、その花輪を拾った男性と結ばれるという伝承があります。また、フランスやドイツなどのヨーロッパ諸国では、夏至の日に焚き火を行い、魔除けや豊作を祈願する風習が見られます。
このように、夏至は日本のみならず、世界中でさまざまな風習や行事が行われる特別な日として位置づけられています。
選日
吉日
6月3日(火) 一粒万倍日
6月4日(水) 一粒万倍日
6月5日(木) 一粒万倍日
6月6日(金) 一粒万倍日
6月17日(火) 一粒万倍日
6月18日(水) 一粒万倍日
6月29日(日) 一粒万倍日
6月30日(月) 一粒万倍日
凶日
6月8日(日) 不成就日
6月14日(土) 三隣亡
6月16日(月) 不成就日
6月24日(火) 不成就日
6月26日(木) 三隣亡
6月30日(月) 不成就日
