和風月名の由来について

皆さんは、日本の伝統的な和風月名についてどれだけご存知でしょうか?現代のカレンダーではあまり見かけることがないこれらの月名には、それぞれ深い意味と由来が込められています。今回は、1月から12月までの和風月名の由来について、各月ごとに簡潔に解説していきます。これを機に、日本の古き良き文化に触れ、その魅力を再発見してみましょう。

睦月(むつき)
睦月の由来は、「睦び月」(むつびつき)から来ています。新年を迎え、親族や友人が集まり親睦を深める時期であることから、この名称が用いられました。また、農作業を始める準備が行われる月でもあるため、「実月」(みつき)という説もあります。新年の始まりとして、多くの行事や祝い事が行われるため、賑やかな月とされています。

如月(きさらぎ)
如月は「衣更着」(きさらぎ)から転じたと言われています。厳しい寒さが続くため、さらに衣服を重ねる必要があることが名前の由来です。また、春を迎える準備が進む月でもあり、旧暦では立春を含む月として、寒さと新たな始まりが交錯する時期とされています。

弥生(やよい)
弥生の由来は「弥生」(いやおい)から来ており、「草木が弥(いや)生い茂る」という意味です。春の訪れとともに自然が再び活発に成長する様子を表現しています。この月は旧暦では3月に当たり、農作業の準備が本格化する時期です。

卯月(うづき)
卯月は「卯の花」(うのはな)が咲く月から名付けられました。卯の花は、春の訪れを象徴する植物であり、その開花時期にちなんでいます。また、この時期には農作業が本格化し、田植えの準備が行われるため、農業と深く関連した月でもあります。

皐月(さつき)
皐月は「早苗月」(さなえづき)から転じたもので、田植えの時期を意味します。古くから農業が中心の生活を送っていた日本では、5月は田植えが最も盛んに行われる月でした。そのため、「早苗を植える月」という意味で「皐月」と呼ばれました。

水無月(みなづき)
水無月の「無」は「の」を意味する連体助詞であり、「水の月」という意味です。田んぼに水を張る時期であることからこの名が付けられました。梅雨が終わり、田植えが完了する時期でもあります。このように、水が豊富に使われる月としての意味があります。

文月(ふみづき)
文月の由来は、「書(ふみ)月」から来ています。この月には七夕があり、短冊に願い事を書く風習が古くからあります。また、収穫が終わり、学問や手紙のやり取りが活発になる時期でもあります。文を綴る月としての意味が込められています。

葉月(はづき)
葉月は「葉落ち月」(はおちづき)から転じたものとされています。夏が終わり、木々の葉が落ち始める時期であることを示しています。秋の訪れを感じさせるこの月は、収穫の準備が進む時期でもあり、自然の移り変わりを感じる月です。

長月(ながつき)
長月の由来は「夜長月」(よながつき)から来ています。秋が深まり、夜が長くなる時期であることを表しています。また、古くは稲刈りの時期でもあり、収穫を祝う行事が多く行われます。秋の夜長を楽しむ風情が込められた月名です。

神無月(かんなづき)
神無月は「神の月」(かみのつき)から転じたものです。この月には全国の神々が出雲に集まるとされ、各地の神社が「神無月」と呼ぶようになりました。一方で、出雲では「神在月」(かみありづき)と呼ばれます。神々の集まりを表す特別な月です。

霜月(しもつき)
霜月は「霜降り月」(しもふりづき)から来ており、霜が降り始める寒い時期を示しています。農作物の収穫が終わり、冬の準備が進む月でもあります。霜の降りる様子が季節の変わり目を象徴しており、冬の到来を告げる月名です。

師走(しわす)
師走の由来は「師馳す月」(しはすづき)から来ており、師(僧侶)が年末の行事に忙しく駆け回る様子を表しています。年末は多くの行事や準備が行われるため、誰もが忙しくなる時期です。このため、年の終わりを意味する特別な月名となっています。

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